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裏切りの影踏み30

鹿子が社会人となり、万引きの記憶も遠くなった頃、
東京に住む六郎が若くして亡くなりました。

長患いの末でした。

葬式に一緒に参列するため、五郎が鹿男宅に寄りました。

「なぁ、鹿男兄さん。六郎と七郎は仲が良かっただろう?七郎を葬式に呼んでやらないか。」
「七郎?」
「あぁ、、もういいだろう。」

もう。

もう?

もうって何なんだ。

返済から20年以上が過ぎても、
『借金』という言葉を聞く度に、
たまらない気持ちになるというのに。

もう。

なんて残酷な言葉だろうか。

張り詰める空気。

鹿江と鹿子は、鹿男を凝視しました。

鹿子は思いました。

「もし、父さんが、そうだなって言ったら親子の縁を切ろう。」

鹿男が口を開きました。

「それは無理だ。経験した者にしか分からん。」

続きはまた明日。

(*・ω・)b
まさこさん

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