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ハイエナ

ガンが分かってからの母の行動で私が驚いたのは、だれかれ構わず自分のガンについて話すことです。
母の病気について母が話すのだから私には何も言う権利はないのですが、「そんな人にまで言う?」という人にまで話しまくるのです。

例えば、動物病院で月に一回会うだけの、個人的な付き合いは全くない病院のスタッフに偶然スーパーで出会った時、
「私ね、すい臓がんなの。いつ死ぬか分からないから。」
相手は目を白黒させて返す言葉もありません。

断り切れなくて惰性で続けている、あるサークル。メンバーにすぐ電話です。
「すい臓がんになったの。しばらく行けないから。」
私からすれば、理由など適当に言って休めばいいだけで、何も本当のことを話すことはない、と思うのですが、母は自分の重大事を人に言いたくて仕方ないようなのです。

先週、母が入院している時に、このサークルのメンバーから家に電話があり、私が応対したのですが、
それはそれは優しい言葉をかけてくるのです。
「娘さんも大変だねぇ。頑張るんだよ。お母さんをしっかり支えるんだよ。お母さんにも、しっかり治療するように伝えてよ。」
こういう感じのことを繰り返し繰り返し私に言うのです。告知されて間がなく不安でいっぱいだった私は思わず涙ぐんでしまいました。
ありがとうございます、と言う声が震えていました。
「くそっ!」と思いました。
なぜなら、優しい言葉の裏に、人の不幸の匂いを嗅ぎつけて群がる人間のいやらしい部分をしっかり感じていたからです。

夕べ、母の昔からの友人から電話があり、当然のように母はガンを告白。
今日の昼には、5人の友人が家に押しかけて来ました。
新幹線で何時間もかかるところから。
5人のうちの一人は友人の友人で、母は1、2度会ったことがあるだけの全く親しくない人です。

ハイエナのようだ。

私の感性がおかしいのでしょうか。
でも、私にはまるで、死ぬ前に会っておかなきゃ、明日死ぬかも!
ってテンション上がっているように見えるのです。
きっと私がおかしいのです。
お金と時間をかけて、遠くから、次の日には飛んできてくれる、、、素晴らしい友情、、、私にはそう思えません。
何もないだらだらとした日常に5年に一度くらいしか会わないけど、昔からの友人がガンになってものすごい刺激を与えられて、喜々として新幹線に乗る、、、
私が間違っているのでしょう。
でも、私にはみんなみんなハイエナのように見えるのです。

ガンで不安いっぱいの相手を励まして優越感に浸っていませんか?
自分はこうはなりたくない、と思っていませんか?
遠くからかけつけて優しい言葉をかける自分をイイ人だと思っていませんか?

母が自分で言ったがためですから、私には何も言えませんが、どうしてもそう感じるのです。
母に対しても不満があります。
その友人たちをそんなに大切に思ってきた?会う約束をした後にいつも「会うの面倒くさい、行きたくなくなった。話すことないし。」とグチグチ言っていたでしょう。
その友人に言えば、こうなることは分かっていたことなのに、すい臓がんになった、明日には死ぬかもと自ら伝えて、、、

日曜の今日、姉が息子を連れて帰省しました。
でも、この友人たちの応対をしなければならないので、姉は母とゆっくり話すことはできませんでした。
私は、毎週毎週誰かが来て落ち着く暇がありません。

あなたたちは、人生の数時間を自己満足のために使っただけで、家に帰れば、またいつも通り日常を送り、家族や友人と母の噂話をたまにするのでしょう。
私たちは、母を看病するために、まず自分自身の生活を維持しなければなりません。あなたたちの自己満足に付き合うほどの余裕はないのです。

相手の都合もお構いなしに押しかけ、勝手にワイワイやって、「きっと大丈夫よ!」と適当な言葉をかけ、満足して帰ってゆきました。

こんな人間、私は嫌いです。
ハイエナにエサを与える母にも疑問を持ちます。

せめて母が楽しい時間を送ってくれたのなら我慢した甲斐があるのに、
気を使った母は友人たちが帰った後ぐったりです。
健康な人と自分を比べて精神的にも落ち込み、姉や孫には、ゆっくり過ごせなくてゴメンね、とひたすら謝っていました。

疲れました。静かに、ゆっくり過ごしたいのに。
とにかく疲れました。

おやすみなさい。

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