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相続を振り返る

告知を受けた日、一度家に戻った母は、その時できることを全てやろうとしました。
結論

母と姉は、普段使わない銀行に行って、口座を解約しました。
そのお金、100万円を姉に渡しました。

私には、違う銀行の通帳を渡して「知り合いの銀行員に解約する理由聞かれるのが嫌だから自分で下ろしなさい。」と言いました。
私にも100万円でした。

非課税で贈与できる金額が一年間で1人に対し110万円であることを母は知りませんでしたが、偶然100万円ずつの生前贈与になりました。

なぜ母がこんなに急いだかと言うと、突然死んだ時に、自分のお金を子供3人で等分するのが嫌だったからです。

告知を受ける2年前、兄が泣きながら母に電話してきました。
「もう、俺はダメだ!」
「何があったの?泣いていては分からないからちゃんと話しなさい。」
「お金がない。もう家のローンが払えない。」
「じゃ、売りなさい。」
「助けてくれ!」
「助けられない。私もお金ないから。」
「俺のことを見捨てるのか!」
「家建てる時にお金あげたでしょう。もうない。」
「うそだ!持ってるはずだ!」
「年金で生活してるのよ。こっちが助けてほしいくらいなのに、何言ってるの。とにかく自分で何とかしなさい。」

側で聞いていてハラハラしました。
母がお金を渡したらどうしようかと思いました。

渡すのは母の自由だけれど、その後裏切られて辛い思いをするのが目に見えていたからです。

この電話の後、私は母には内緒で姪(兄の子)と話しました。

ローンは義姉がちゃんと払っていること、
母へ泣きながら電話したのは、遊ぶ金が欲しい兄の狂言であること、
働かずにお金を得ることばかり考えていること、それらを知りました。

母には言えませんでした。
クズだとは言え、母にとってはたった一人の息子、打ちのめしたくなかったからです。

もしも、お金を渡すような素振りが見えたら言おうと思っていましたが、母は渡しませんでした。
父が亡くなってから一度も帰って来ないことで、兄には見切りをつけていたようです。

それでも「大丈夫だろうか」と毎日のように心配していて、母親とはこんなにも哀しいものなのかと思いました。

二年間黙っていましたが、ガンの告知後、相続で母と兄がもめる中、どうなってもいいと投げやりになっている母に対して私は、あの時のことが狂言であったことを告げてしまいました。

「このまま放置したら遺留分があるから兄に家とお金がいく可能性あるよ。でも、それは本人のためにならないと思う。あの時の電話、狂言だから。それを知っても放置するなら放置して。」

兄が憎くて言ったのではありません。
父と母が爪に灯をともすようにして貯めたお金が、パチンコや酒に消えるのはどうしても嫌だったのです。

「私はこの家に犬が生きてる間だけ住めたらそれでいい。家もお金も要らない。姉がやってくれるなら姉に全部任せたい。」
「家はダメ!千代とモモがこの家に住めなくなるのはダメ。」
「でも判押してくれなかったら、どうする?」

こんな堂々巡りの話を毎日毎日。
闘病中、相続のことはあまり書きませんでしたが、仕事、病院、相続の繰り返しで、振り返ると地獄のような日々でした。
母は死ぬ直前まで思い悩む結果となってしまって、本当に可哀想でした。

母にとって、兄は出来が悪くて心配ばかりかけるけど、でも可愛くて可愛くて仕方ない息子だったのだと思います。

そんな兄が夜中に訪れて母の体をマッサージしてくれたこと。
感謝しています。
母が泣いたこと。
涙を見た

あの日を思い返して、本当に本当に良かったなって、そんなことを思った1日でした。

おやすみなさい

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(^o^)v
まさこさん 私もそう思うのですが、なかなか思うようにはいきませんね。私自身が元々そういう縁を持っていないのかな、と最近は思います。
H.Aさん 少しは元気になられたでしょうか?私もビタミン剤飲んで頑張ってます。守るべきはモモと健康!です(^^)
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