裸だからだ

2018/02/08
22:22

休みでした。

歯を磨こうとしたら、水が出ません。
やってしまった、、、凍結。
でも、なんでだろう。
古い家、父と母が凍らないように、安生しているはずなのに。

昨日、職場では、
「水道管が凍った。」とみんな大騒ぎ。
私は「水出しっぱなしにしたらいいよ。水道管には毛布とか巻いたらいいよ。」
って偉そうにアドバイスしたのに、、、

我が家は井戸水です。
電動ポンプで汲み上げます。

水道ポンプと管には、タオルを巻いた上に、チェック柄のフリースジャケットが着せてあるはずなんです。
いつも見ていたんです。
一体、誰の？(笑)って何年も思っていたんです。
たぶん、父の物です。

外に行って水道ポンプを見たら、白い裸体。
ピカピカに光っている。
新品みたい、、、あっ！壊れて交換したんだった。

夏に母が「ポンプが壊れた。今日払った。10万よ！10万！！」
って嘆いていたのを上の空で聞いていました。
家のことは母がやって当たり前。
ずっとそう思って生きてきました。

母に報告。
「母さん、凍結しちゃった。夏に交換してくれて良かったよ。今だったら、もっと大変だった。ありがとうね。」

昼から気温が上がって、水は復旧しました。
古いグレーの毛布を切って、ポンプに掛けました。

ポンプ交換の時、フリースジャケットは捨てたのだと思います。
きっと、寒くなったら新しい服を着せよう、と思っていたはずです。

今度は何着せる？なんて話したかったな。

そういう、どうでもいいささいなことを失ったことが、とてつもなく大きな悲しみとなって襲いかかるなんて、夏はまだ気付いていませんでした。

父を亡くした時に、それを知ったはずなのに。

フリースジャケットなんて、本当にどうでもいいのに、あの、ポンプの上で袖をダラリと下げた滑稽な風景が、一日中頭にちらついた日でした。

おやすみなさい

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