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後悔の理由3

だから、介護休暇を取ったのです。

母のガンが発覚した当初は、取得するつもりはありませんでした。
父の時の経験があるので、ある程度は今後の想定をしていましたし、秋になったら、有給休暇で対応するつもりでした。
今後、入院するようになったら、姉や姪甥と交代で看よう、と思っていました。

手術の結果、急展開となり、私は、もう誰にも母のことを任せられなくなりました。
姉にでさえ、私は委ねることができませんでした。

もう絶対に選択ミスをしたくない。
これ以上の後悔には耐えられない。
誰に嫌われてもいい、母の側にいる。

自分がこのようになるとは想像もしていませんでした。
末っ子で、泣き虫で、弱虫で、幼かった頃いつも母の後ろに隠れていた私が、顔を強ばらせて、私が全部やるから、と。

兄にも姉にも一歩も引かず、自分の意思を通しました。
覚えていてくれる人はいるでしょうか。
産婦人科病棟で苦情をいれたのも、我慢する母を守りたかったからです。
姉には「クレームババア」と揶揄されましたが、言わなければ、今夜にも母は転倒して死んでしまう、と思ったのです。

もう、何をしてもどうしようもないことは分かっていましたが、せめて母の苦痛を軽くしたかったのです。

あまりに母が可哀想でした。
何のための手術だったのか、手術前の絶食、テレビに映るおむすびを食べたい食べたいって。
今の母は、何を差し出しても、食べられないのって。
食べても全て吐いてしまう。
麻薬は、毎日毎日増えてゆく。
数日前は、飲みたくないとあんなに抵抗した薬がなければ、痛みに耐えることができない。

だから、私が側にいれば、少しだけでも安心してもらえるんじゃないか、と休暇を取ったのです。
介護休暇は、給料は出ませんし、昇給、ボーナスに響きます。
そんなものどうでもいいと思いました。
お金はまた稼げばいい。今、母の側にいなければ一生後悔する。

でも、ガンの速度は増すばかりで、私が取得したのはたったの2週間です。
6ヶ月まで取れるのに、そうなって欲しかったのに2週間で母はいなくなってしまいました。

続きます。

おやすみなさい

(^o^)v

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