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晴れの日

昼休み、弁当を食べようと箸を持った時、同僚がテレビをつけました。
星野仙一さんの訃報を詳しく報じていました。

「これは、みんなとは見れないわ。さっさと食べて席を外そう。」と思いました。

私の顔に暗い影が落ちたのでしょうか。
同僚は何も言わずにチャンネルを変えました。
ありがとう、と心の中で呟きました。

成人の日でした。
姪(姉の子)が、無事、今日成人式を迎えることが出来ました。

8月の終わり、前撮りをしました。
ちょうど彼が滞在していました。
母は見に行くのを楽しみにしていましたが、当日は暑く、二時間の移動に自信がなくなった母は、行かない、と言いました。

姉と姪が母に来て欲しいと思っているのは知っていたので、
「彼が行くって言ってるから行こうよ。」と明るく誘いました。
「あら、そうなの?それなら行こうかな。1人だと面倒くさくてね。」
成人式の頃、病状が悪くなっている可能性はある、と心の中にあったので、行く気になってくれて安堵しました。

楽しい1日を過ごしました。
着付けを待っている間、母も久し振りに買い物ができたし、みんなで美味しいご飯も食べました。
姉と姪もとても喜びました。

帰りはやっぱり体が辛そうで、込み合う電車の中、
「ポートのところ、手でカバーして。こけそうになったら、彼にもたれればいいから。」彼と二人で母を前と後ろから支えました。

母の日記には「彼が嫌な顔せずに1日付き合ってくれて嬉しかった。」とありました。
そんなことを気にしていたんだな、と驚きました。

姪から写真が送られて来ました。
「前撮りに来てもらえて良かった。」と。
その着物は姉が成人した時に、母が姉に贈ったものです。
姉は先生になる夢を諦め、18歳で自立したので、母がこれだけは、と買いました。
着物は中古ですが、帯は新品をあつらえました。
当時の我が家の家計はかなり苦しかったはずなので、相当の無理をして買ったようです。

「着付けの人が、着物も帯もすごくいい物だって。今はこういう質のもの、なかなか買えないよって言われてすごく嬉しかった。」

姪は、無理をしているわけではなく、本当にその着物を気にいっていて、今日の日をとても楽しみにしていました。
朱色とピンクを合わせたような明るい色。帯は黒に金糸。とても似合っています。
あの時、誘って良かった。
大きい写真ができ上がったら、母に見せよう。

着物はいいですね。こうして長く残ってゆきます。
きっと姪は自分に娘ができたら、祖母のこと、着物のことを話すでしょう。
金糸の帯をキレイだ、と思って触るのだと思います。母や姉や姪がそうしたように。

七草は買えませんでした。
また来年。

おやすみなさい

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プロフィール

鹿子

Author:鹿子
母の闘病を綴ります。すい臓がんステージ4b。糖尿病併発。ジェムザール単剤での治療選択。

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