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母ちゃんよ!

仕事の休憩室に、小さなキッチンがあります。
ジップロックが欲しくてシンク下の扉を開けました。
何も考えずに。

ふいに目に入ってきたのは、赤い毛糸で編まれたアクリルたわしでした。
母が編んだものです。
「職場で使って。」と母がくれました。
「使ってねー」とキッチンに置いたのですが、かわいい犬の顔をしたそのたわしは、みんな遠慮して使いませんでした。
いつしか誰かがシンク下にしまったのでしょう。私も忘れていました。

まさかそれがあると思わずに戸を開けたので、それを手渡された時の平和な日常と会話が一気によみがえってきてしまいました。
ヤバい!と思った時にはもう遅くて、アクリルたわしを手に取った時にはもう、涙が溢れていました。
「どうした?」
と声をかけた同僚は、振り向いた私が泣いているので、びっくりです。
「ごめん。いると思わない所に母がいてさ。ゴメン!」
だいぶ落ち着いてきたと思ったのにまだまだなんですね。

帰ったら玄関の前に近所の方二人が果物を持ってきてくれていました。
お礼を言わないと、と電話番号を調べている間に、母の友人から電話。
「金魚、もて余してるって聞いたんだけど、引き取ろうか?」
狭い街なので、誰かと誰かが繋がっているので、どこかで私がもらした言葉がその方に伝わったようです。
「そうなんですよ。どうしようかと思っていて。母が元気な時は私には飼えないから自分で引き取り手を探してよ!とか言ってたんですが、亡くなってしまうと迷いが出てしまって。」
「そうなの。それなら気の済むまで一緒にいたらいいわよ。あんなに可愛がっていたんだから、それがいいと思うよ。無理だと思ったら、いつでも引き取るから。」
「ありがとうございます。もう少し気持ちが落ち着くまで面倒みてみます。」

もう一度電話帳に手をかけたら再び電話が。
近所に住む父方の遠い親戚の方でした。
「お父さんのお姉さんとかには伝えてる?」
「言ってないんですよ。」
「え?全然知らないの?伝えようか?」
「いや、それが、母が教えてくれるなって強く希望していたので、、、」
「でもそれはちょっとねぇ。」
「母にとっては義理なので遠慮や、思うところがあったみたいで。とにかく全て母の言い残した通りにしようと思っていて。」
「もし、今知ったら驚くよねぇ。」
「はい、叱られると思います。私もまだ何が何だか分からない状況で、今叱られたら心が折れると思います。」
「そうね。じゃ、私からは言わないでおこうね。他から聞くまでね。」
「はい、そうしてもらえると助かります。」
はぁ、母の兄弟どころではなく、なじられるんだろうな、、、母ちゃん、どうしてくれるのよ!

やっと近所の方へ電話。
「スミマセン。仕事に復帰して日中いなくて。」
「いいのよ。若いんだからしっかり働きなさい。気も紛れるからね。」
「畑が気になっているんですが、今はどうにもできなくて。仕事と手続きだけで精一杯で。」
「それはそうよ。何かあったら連絡しておいで。」

散歩が終わったら買い物に行きたかったのですが、時間があっという間に過ぎてしまいました。
買っておいた茹でるだけのおでんを食べて済ませました。
母に叱られるかなーと思いつつ、でも落ち着くまでは仕方ないよね?と勝手に了解してもらいました、

客間用に買ったストーブを開けて灯油の準備。
余分が三台あったはずのファンヒーターがどこを探してもなくて、急遽ネットで注文しました。
客間に暖房器具がないので、急いで買いました。

母ちゃん、捨てたでしょ!もったいないなー。
あと二台買わないといけないよ。古くて隙間風だらけのこの家、暖房なかったら死んでしまうよ!

お腹が空きました。
母のために買って冷凍したままのかき揚げバーガーを食べて寝ます。

おやすみなさい

(^o^)v←コメントありがとうのマーク

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プロフィール

鹿子

Author:鹿子
母の闘病を綴ります。すい臓がんステージ4b。糖尿病併発。ジェムザール単剤での治療選択。

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