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この道で

仕事でした。

中途覚醒7回。

土日は道路が混まないので、ゆっくり出ても間に合います。

7時前。
モモは砂壁部屋の中をウロウロ。
私はファンヒーターの前で、膝を抱えてため息が1つ。

母さん。

喉の奥に、熱い塊。
涙がこぼれる。

あの、母を探して泣いていた幼い頃の私が、今も心の中にいる。
そう感じる。

母さん。
母さん。

優しく抱き上げてくれた母の手は、
もう失われ、
私は1人で立ち、この足で歩いて行かなければならない。

親とは、そういうもの。

歩みを教え、
年を数え、
行く先を案じ、
そしていつか居なくなる。

もう、私に母はいない。

どんなに求めても。

もう、誰も。

仕事はスロー。

持ち込まれる様々な話。

誰も私の心の内など知らない。

言わないんだから、当たり前。

結婚したことすら言っていないのに、
何がどうなってこうなったかなんて、
何一つ言えることなんてない。

私が馬鹿だった、ただそれだけ。

帰って、散歩。

田んぼ道の真ん中で、モモを見つめるおばあさん。

たぶん、広田さんだろう、と思いました。

おばあさんの方は私には気付かず、
ただモモを見ています。

「こんにちは。」
「かわいいねぇ。」

「はい。」
「何の犬?」

「トイプードルです。」
「抱っこしても大丈夫かしら?」

「大丈夫ですよ。」

愛おしそうに、モモを抱き締めるおばあさん。
母の姿が重なる。

「失礼ですが、この近くにお住まいですか?」
「そうよ、あの家。」

「おばちゃん。鹿田です。」
「えっ、、、鹿ちゃん?」

「そうです、、、母がお世話になりました。」
「うそ、、、鹿ちゃんなの、、、お母さん、残念だったね。」

二人で涙。

「この犬置いて逝ってしまったんよ。」
「寂しいねぇ、、、でも、鹿ちゃん結婚してるんでしょ?」

「、、、してないよ。」
「えっ、早くしなさい!」

「うん、、、」
「私ももう83歳よ。」

「すごい!元気!」
「いやいや。もうすぐだから。」

「まだまだ!大丈夫。」
「ワンちゃんと頑張るんよ。」

幼い頃、
広田のおばちゃんの家には何度も遊びに行きました。

昔は、葬式なども自宅で行ったので、
同じ班の広田家とは、密な付き合いがありました。

父が死に、
母が死に、
生活様式も変わり、
今は回覧板の名簿で名前を見るだけとなってしまいました。

チャキチャキしてたおばちゃんの若い頃。
私の手を引く母の後ろ姿。

モモと歩きながら、
あの頃を思い出し、
母への感謝と懐かしさで胸がいっぱいになりました。

母さん。

今日も1日頑張ったよ。
モモも、ご飯食べてくれたから。

明日も頑張るよ。

(*・ω・)
N.noraさん、ゆずさん、まさこさん

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