父

私の父は、５年前に末期の肝臓がんで亡くなりました。
お酒を浴びるように飲んだ父でしたから仕方ありません。
７５歳でしたし、余命半年だと告げられても私たち家族は諦めました。
「もう手の施しようがありません。あとは本人の望むようにしてあげて下さい。」
見せられたレントゲン写真は素人の私が見ても明らかにひどいものでした。

医者の言う通り、父は半年で亡くなりました。
だんだんと元気がなくなり、食べられなくなり、痛みがひどくなり、
モルヒネの量が増えていきました。
ガリガリになって、幻覚も見えるようになり、数日後亡くなりました。
元気でいつも明るく、痛みにも強かった父が、
「この痛みをなんとかしてくれ。」と泣いた時は悲しくて私も泣きました。
できることはお医者さんに頼んでモルヒネの量を増やすだけ。
でもモルヒネを増やすと意識が混濁していきます。
父の最期の姿は、今も強く残っています。
その姿に彼を重ねてしまう。
生きてほしい、元気でいてほしい。
でも、きっとこれはとても厳しい戦い。
私に何ができるのだろうと何度も考える日々。