メラノーマからの抱擁
- 2017/09/24
- 23:59
家事をして、栗拾いへ。
汗がダラダラ流れるまで拾いました^^;
私が栗拾いをするのは数年ぶりです。
父と一緒によく山に来ていたことを思いだしながら拾いました。
袋いっぱいの栗をフラフラになりながら車につめて病院へ。
「どう?」
「お腹がおかしいのよ。一口食べたらもうお腹一杯。食べられない。パンパンよ。」
「まだ手術して1週間経ってないんだよ?そんなすぐに、ハイ元通り!って訳にはいかないよ。少しずつ少しずつだよ。」
「もしかして胃に穴が開いてるのかな?傷口開いた?」
「そんなことになったら、緊急手術だよ、、、胃と胆嚢の2本もバイパス作ったんだから、内臓だってダメージあるよ。」
「下腹が張るのよ、、、」
「腸もいじってるからね、そのせいじゃない?時間が薬だよ。焦らない焦らない。」
「分かった。」
母には言えませんでしたが、下腹部の張りは腹水かもしれません。
傷の痛みなら良いのですが、、、
「傷口見る?」
「見ない。」
「見ておいた方がいいと思うよ。すごいんだから。」
「想像つくから見なくていい。」
「そう言わないで見ようよ!」
「あのね、私はあなたの内臓の写真を何枚も見せられたの。今更傷見ても何も感じないよ。」
「え!内臓の写真?、、、そうなんだ、、、ゴメン。」
「今日の朝、向かいのベッドの人が個室に移ったの。もうダメみたい。私もあんなになるのかな、、、」
「そうなんだ、大変だったんだね。」
「苦しそうで、、、怖かった。」
「そっか。」
わざとそっけなくこの話は広げませんでした。
「明日は来ないからね。」
「寂しいな。」
「またまたぁ。」
「本当だよ。」
見えないお腹の中がどうなっているのか不安なのでしょう。
明日は月曜日なので医師の診察があるはずです。
順調に回復していればいいのですが。
腸閉塞が起こることは覚悟していますが、短い間でも母が好きなものを食べられる時間が取り戻せたらなぁと願います。
せっかくした手術が無意味だったと思わないで欲しいのです。
母と彼の思い出 その1
母にお礼を言いたい、ハグをしたい、と彼が言うので、毎日促すのですがタイミングがずれていつも言えませんでした。
最後の夜、彼も今日こそは言うぞ、と気合いを入れて母に話しかけました。
「ママさん、、、」
あんなに日本語を教えたのに全く言葉が出てきません。
「お礼が言いたいんだって。」
「あ、そうなの。分かりました。」
と母は正座して立っている彼を見上げました。
彼は戸惑っています。正座ではハグできません!
「うーん、立ってもらえるかな(笑)」
「え、立つの?はい、分かりました。」
背筋を伸ばして彼の正面に立ちました。
「ママさん、thank you very much.see you again.」(←教えた日本語はどこ行った?)
そして熱い抱擁!
母もしっかりハグを返していました。
「また会えるかな」
「会えるよ。」
この時は本当にそう確信していたのですが、今は状況が変わってしまいました。
彼にも母の状態は伝えてあるので、今の仕事が終わったら段取りを組んでくれると思います。(たぶん)
現在はヨーロッパに長い出張中です。
どうか明日は今日よりお腹が楽になりますように。
また明日。
おやすみなさい。
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