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記事一覧

熱情と幻 8

もう、離れて行く彼の心に私の言葉は届かないと悟りました。専門学校を卒業するまで、静かに待っていよう。市役所で親しくなった職員さんに、野球部のマネージャーをやらないか、と誘われました。もともと高校野球を見るのが好きだった私は、2つ返事で了承しました。定時、17時になったら、グラウンドへ。ただボーッと白球と空を見つめているだけでも、1人で時間を過ごすよりはマシでした。サトルは元気だろうか。サトルは本当...

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熱情と幻 7

ゆっくりする間もなく、「早く働け」と母に急かされ、私は、新規オープンする地元のホテルで正社員として働き始めました。まだ免許を取っていなかった私は、赤い自転車に乗って、朝早くから、夜遅くまで。夕飯を社員食堂でとって、次の仕事までの合間にサトルに電話。「サトル、会いたいよ。」「オレ、ギター上手くなったって言われた!」「そう、、、来月、大阪に遊びに行くから。」「オレの部屋には泊めないぞ。」「分かってる。...

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熱情と幻 6

19の冬。久しぶりに登校したら、同級生からお茶に誘われました。授業を抜け出して、喫茶店へ。レモンティー。ストローでレモンをもて遊ぶ。「鹿田さん、あんまり学校来ないね。」「3月でやめるから。」「どうするの?」「分かんないけど。彼氏次第。」「彼氏って?」「ギターリストになりたいって専門学校行ってる。」「無理やろ。」「うん。」「別れてオレと付き合わない?」「またまたー。冗談ばっかり。」「気が変わったら連...

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熱情と幻 5

桃山台から心斎橋の学校へ通う日々。サトルがくれた、小さなサファイアの指輪。春の光にかざして。ゴールデンウィーク。福岡へ。退屈な大学生活。彼は、パチンコにのめり込んでいました。8時の開店と同時にパチンコ店に並ぶデート。「アルバイトして、お金貯めて、福岡まで来てパチンコ、、、」ぐずぐず泣く私。「ゴメン、もう止める。鹿子を愛してるから。」毎月、福岡へ。パチンコを止めた彼は、ギターの虜になっていました。「...

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熱情と幻 4

卒業式の前日、サトルの家で、サトルの髪を切りました。「バリカンでがっつりいって!」初めての体験、右に合わせれば左が、左に合わせれば右が、、、どんどん短くなって、悲惨な仕上がりに。翌日。式が終わって、教室の後ろには保護者のみなさん。「サトル!!!」大きな声で怒鳴りながら、つかつかやって来たその人は、サトルの頭を思い切り叩きました。「あんた、こんな日になんて髪型してんのよ!」「母ちゃん、、、」背が高く...

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熱情と幻 3

好きという塊が、心の中で、どんどん大きくなってゆく。大阪の大学を3つ受けた彼。「受かる?」「大丈夫!」「私、大阪の専門学校に願書出したよ。」「一緒に大阪行こうね。」赤い自転車を押して、駅まで。もっと一緒に居たくて、隣の駅まで彼と乗って。駅から手を繋いで、彼の家まで。線路沿いの、海の目の前に、彼の自宅はありました。「海!」「近いだろ?」「すごいね。」「ここからの眺めが最高なんだ。」三階の彼の部屋から...

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熱情と幻 2

その日から、頻繁に登校するようになった、河野サトル。着席する彼の後ろ姿。こんなに席、近かったっけ。教室の一番後ろ。出入り口に一番近いここが、私の指定席。くじ引きで、この席が当たったクラスメイトに、「代わって!」と頼むと、皆、快く応じてくれました。進学校なので、前の方で授業を受けたい生徒からすれば、この席は最悪の席だから。私は、休み時間に、友人が来やすい、そして、すぐに出て行けるこの席を4月からずっ...

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熱情と幻 1

仕事でした。中途覚醒6回。書くつもりはなかったのですが、やはり、自分の気持ちを整理するために、綴ることにします。最後まで読んでもらえると嬉しいです。高校3年生。地域で、一番大きな小学校を卒業、一番大きな中学校から、一番大きな高校へ。進学校。赤い自転車に乗って、田んぼを抜け、踏み切りを越えて。小、中から続く友人がたくさん。退屈な授業。中学校の時は、賢い部類にいたのに、高校では、ダメ。夢は、編集の仕事...

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ほらね

休みでした。中途覚醒5回。7時起床。彼が来ない、と悟ってから、ついつい自分の運のなさを恨み、過去を振り返り、忸怩たる思いに駆られています。現在、自宅から車で15分程度の歯医者に通っていますが、そこに決めた理由は、土曜日の夕方、急患として診てくれたのが、そこしかなかったから、です。本当は、そこには行きたくありませんでした。なぜなら、元恋人が経営している美容院の隣だからです。以前、投稿した、愛した人と...

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鮮やかに

仕事でした。中途覚醒2回。ラインに届いた彼からのメッセージ。「ohayo shikako」のみ。意味不明。「おはよう。で、答えは?」と送信。仕事は、スロー。黙々と、というか、ダラダラと午前中の仕事をこなし、昼からはすることなし。木金土日、会えなかったユミちゃんと廊下の隅でおしゃべり。鬼と意地悪子、なぜか現在、険悪ムード。互いに悪口を言いあって、口をきかない状態。一体何があったんだか。関わらないように過ごしてい...

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